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  • Hermes AgentをMacBook Proで実験してみた

    最近話題のHermes AgentをMacBook Pro M4で実験してみました。 実際に導入するには初期投資が必要なので敷居が高いですよね、 導入したいけど どこまで動くの? 品質は? 応答速度はどうなの? などが気になるところなのでその辺をメインに記事にしました。 Local LLMとClaude APIを実際に比較した導入備忘録としてシェアします。 ■はじめに 最近、SNSでは「Hermes Agent + Ollama + QwenでAI社員が作れる」 「Local LLMならAPIトークン料金を抑えられる」といった話題をよく見かけます。 ただ、実際に業務で使う場合に重要なのは、単に「料金が安いか」だけではありません。 本当に大事なのは、 出力品質が実用レベルなのか 応答時間は許容できるのか 永続メモリは本当に使えるのか AI社員として業務に使えるのか そしてClaude APIと比べて何が違うのかという点です。 今回は、MacBook Pro M4、24GBメモリの環境にHermes Agentを導入し、Local LLMとしてQwen3 8BとQwen3 14Bを試しました。 さらに従量課金のClaude Sonnet APIにも切り替えて、Local LLMとの違いを比較しました。 ■Hermes Agentについて Hermes Agentは、Nous Researchが開発しているAIエージェント基盤です。 通常のチャットAIと違い、LLMとの会話だけでなく、永続メモリ、ファイル操作、ターミナル操作、ブラウザ操作、タスク計画、Cronによる定期実行、SlackやTeamsなどの外部連携、Skillsによる機能拡張などを利用できます。 つまり、Hermes Agentは「AIに質問するツール」というより、「AIに任せる業務フローを継続改善するための基盤」に近いものです。 今回の検証では、Hermes Agent v0.15.1を使用した実験レポートです。 ■導入した構成概要 今回の構成は、MacBook Pro M4にOllama、Qwen3、Hermes Agentを導入する形です。 最初はOllama上でQwen3 8Bを動かし、その後Qwen3 14Bへ切り替えました。 さらにHermes Agentのモデル接続先をClaude Sonnet APIへ変更し、Local LLMとClaude APIの差を確認しています。 <構成概要> MacBook Pro M4 / 24GB RAM ├─ Ollama │ ├─ Qwen3 8B │ └─ Qwen3 14B │ └─ Hermes Agent ├─ Local LLM接続 ├─ Claude Sonnet API接続 ├─ Memory ├─ Browser ├─ Terminal └─ Skills 構成イメージとしては、MacBook Pro M4の上にOllamaがあり、その上でAIの頭脳であるQwen3 8BまたはQwen3 14Bが動きます。 さらにHermes Agentがあり、そこからLocal LLM(Ollama+Qwen)またはClaude Sonnet APIへ接続する形です。 導入手順と検証概要 大きな流れは以下です。 Ollamaを公式サイトから直接ダウンロード Qwen3をOllamaコマンドで取得 Hermes AgentをGitHubから取得 setup-hermes.shでインストール Hermes初期設定 Qwen3 8Bで起動確認 Qwen3 14Bへ切り替え Claude Sonnet APIへ切り替え 1.Ollamaのインストール 当初、HomebrewでOllamaをインストールしようとしました。 brew install ollama しかし、今回の環境ではHomebrew版のOllamaで「llama-server binary not found」というエラーが発生してインストールできなかった。そのため、Homebrew版ではなく、Ollama公式サイトからMac版を直接ダウンロードしてインストールしました。 Ollama公式サイトhttps://ollama.com/download/mac 公式サイトからダウンロードしたOllamaアプリをApplicationsフォルダへ移動し起動。 インストール後は、ターミナルで以下を実行して確認しました。 ollama --version 2. Qwen3をOllamaコマンドで取得 Ollamaが動作したら、AIの頭脳であるQwen3をダウンロードしました。 ollama run qwen3 このとき取得されたモデルは、qwen3:latestでした。 モデル情報を確認すると 8.2Bパラメータ(Bは10億の単位) context length 40960 quantization Q4_K_M サイズは5.2GBでした。 つまり、最初に動かしたのはQwen3 8Bの量子化(圧縮)モデルです。 通常のOllamaチャットでは非常に快適に動きました。簡単な質問への応答や文章生成は、MacBook Pro M4上でも問題なく動作しましたが文章出力品質が悪いと感じてしまう。 Qwen3 14Bの取得 Qwen3 8BではHermes Agent用途として少し不安定だったため、Qwen3 14Bも試しました。 ollama pull qwen3:14b Qwen3 14Bへ切り替えることで、文章作成品質や指示理解は明らかに改善しました。 一方で、応答速度は8Bよりめっちゃ遅くなり待ち時間を許容できない。 3.Hermes AgentをGitHubから取得 Hermes AgentはGitHubから取得しました。 cd ~/projectsgit clone https://github.com/NousResearch/hermes-agent.git cd hermes-agent 4.Hermes Agentのインストール Hermes Agentは、公式リポジトリに含まれているセットアップスクリプトで簡単にインストールできます。 chmod +x setup-hermes.sh ./setup-hermes.sh セットアップ後、source /Users/techult/.zshrc、hermes setup、hermes という案内が表示されました。 (1)初期セットアップ Hermes初期セットアップでは、まずセットアップ方式としてFull setupを選択しました。 Quick Setupではなく、Local LLMやClaude APIを自分で設定したかったためです。 (2)Inference Provider Inference Providerでは、最初はLocal LLMのQwenを使いたかったため、Custom endpointを選択しました。Qwen CloudやQwen OAuthではなく、Ollama上で動いているQwen3へ接続するためです。 Base URLは以下にしました。 http://127.0.0.1:11434/v1 Modelは以下です。 qwen3:latest Hermes側では、Detected model: qwen3:latest と表示され、Ollama上のQwen3を認識できました。 (3)API compatibility mode Auto-detectを選択しました。 Context lengthは最初は自動検出にしました。 ただし、Hermes Agent経由のプロンプト指示は64K以上のコンテキストを要求しエラーが発生したため後で設定ファイルを修正が必要です。 (4)Terminal backend Keep current localを選択しました。MacBook上でそのまま動かすためです。 (5)Messaging platform Telegram、Slack、Teamsなどの一覧が表示されましたが、初回は何も選ばずスキップしました。まずはHermes単体で起動確認するためです。 (6)CLI Tools Web Search、Browser Automation、Terminal、File Operations、Code Execution、Vision、Text-to-Speech、Skills、Task Planning、Memory、Session Search、Clarifying Questions、Task Delegation、Cron Jobs、Cross-Platform Messaging、Computer Useなどがデフォルトで有効になっていたのでそのままGO (7)Browser provider Local Browserを選択しました。無料でローカルのChromiumを使う構成です。 (8)Image generation Skipを選択しました。画像生成は今回の目的ではなかったためです。 (9)Text-to-Speech Microsoft Edge TTSを選択しました。無料でAPIキー不要のためです。 Search ProviderはDuckDuckGo ddgsを選択しました。 無料でAPIキー不要の検索手段として選んでいます。 (10)Hermes起動確認 ターミナルからの起動コマンドは以下です。 hermes 起動後、Hermes Agent v0.15.1、qwen3:latest、21 tools、74 skillsという表示が出ました。この時点で、Hermes Agent自体の起動は成功。 Context lengthエラーと対応 最初にQwen3 8BでHermesを起動しプロンプト実行した際、以下のエラーが出ました。 Model qwen3:latest has a context window of 40,960 tokens, which is below the minimum 64,000 required by Hermes Agent. HermesはAgent用途として64K以上のコンテキストを要求される。 そのため、~/.hermes/config.yamlを修正。 修正内容は以下2行です。 model: default: qwen3:latest provider: custom base_url: http://127.0.0.1:11434/v1 context_length: 65536 ←追加 ollama_num_ctx: 65536 ←追加 この設定により、Hermes側では qwen3:latest 4.09K/65.5K のように表示されるようになり無事エラー解消、Hermes→qwen3経由でチャットが可能になりました。 ■Local LLMで実施した所管 (1)Hermes Agent + Qwen3 8Bの動作について Qwen3 8Bは、通常のOllamaチャットでは速度はそれなりに動きました。 簡単な会話や文章作成であれば、ローカルLLMとして使えます。 一方で、Hermes Agent経由では課題が出ました。Agent初期化に時間がかかること、Tool選択が不安定なこと、MemoryではなくWeb検索に行ってしまうこと、指示意図から外れた回答が出ることがありました。 本チャット内のログでは、8B単体のOllama会話は快適でしたが、Hermes上での初期応答では42秒、別の応答では1分17秒程度のログがありました。 文章案を作成依頼してもしっかりとして文章が出力されません。 そのため、Hermes Agent経由でQwen3 8Bを使う場合、実用上は数十秒単位の待ち時間が発生する場面があります。 (2)Hermes Agent + Qwen3 14Bの動作について Qwen3 14Bへ切り替えると、文章作成品質は明確に改善しました。情報を与えて文章案を作らせたところ、情報を反映した出力が得られました。 一方で、応答速度に課題があり遅めでした。実測では、文章案の生成に50秒程度かかりました。 つまり、MacBook Pro M4 24GBでもQwen3 14Bは動きますが、Hermes Agent経由では数十秒かかる場面があります。 ■Local LLMメリットとデメリット (1)Local LLMのメリット Local LLMのメリットは、単にAPIトークン料金が不要というだけではありません。 実際に使ってみると、最大の価値はデータを外部に出さないことだと感じました。 Local LLMはMacBook上で動作するため、社内情報や機密情報を外部APIに送らずに処理できます。 これは、社内資料の要約、採用情報の整理、顧客情報を含む文章の下書き、開発コードの分析、社内ナレッジ検索などで大きな意味があります。 また、API料金を気にせず試行錯誤できる点も大きなメリットです。文章案などを何度も生成する場合、Local LLMならコストを気にせず使えます。 さらに、Ollamaを使えば、Qwenだけでなく、Llama、Gemma、DeepSeekなど、複数のモデルを自由に切り替えられます。 (2)Local LLMのデメリット 一方で、実務で使うと課題も見えました。 まず応答が遅いことです。特にHermes Agentのように、Planning、Tool選択、Memory、File操作、Browser操作を組み合わせる場合、単純なチャットよりも時間がかかります。 また、小さいモデルはTool選択が弱いです。Qwen3 8Bでは、Memoryを読むべき場面でWeb検索に行ってしまうなど、Agentとしての判断が不安定でした。 さらに、文章作成品質はClaude APIに非常に劣ります。Qwen3 14Bはそれなりの品質でしたが、Claude Sonnet APIと比べると、会社情報を使った構成力、読み手に刺さる切り口、文章の自然さでは差があります。 ■Hermes Agent + Claude APIとの比較 Claude Sonnet APIへ切り替えたところ、体感は大きく変わりました。 まず、応答速度がかなり速くなりました。Local LLMでは数十秒かかる場面がありましたが、Claude APIでは体感としてかなり速くなりました。 次に、Tool選択が大きく改善しました。Claude APIでは、Memoryを使うべき場面で適切にMemoryを参照でるし、文章作成品質も明確に違います。 単に文章が自然なだけではなく、誰に刺さるか、どの情報を前面に出すか、どの順序で伝えるか、読み手にどう見えるかまで含めて構成してくれます。 ■比較まとめ Qwen3 8Bは、軽量で導入しやすく、通常会話では快適に動きます。ただし、Hermes Agentと組み合わせたAI社員用途では、Tool選択やMemory活用の動作に大きな不安が残りました。 Qwen3 14Bは、文章作成品質がかなり改善され、広報担当等の下書き用途にはそれなりに使える印象でした。ただし、応答速度は数十秒単位になることがあります。 Claude Sonnet APIは、応答速度、Tool選択、Memory活用、文章作成品質のすべてで非常に安定していました。 自動化として使うなら、現時点では最も実用的だと感じました。 Hermes + Qwen3 32Bなど上位版を試したい 今回、Qwen3 14BまではMacBook Pro M4 24GBで動作しました。 次に試したいのは、Qwen3 32Bなどの上位モデルです。 32Bクラスになると、Tool選択精度、Memory参照精度、文章作成品質、指示理解、複雑な業務フローの実行などが改善する可能性があります。 一方で、MacBook Pro M4 24GBではメモリ的に厳しくなる可能性があります。Qwen3 32Bを本格的に使うなら、Mac mini M4 Pro 48GB、Mac mini M4 Pro 64GB、またはGPU搭載Linuxマシンのような環境が望ましいと感じます。 今後は、Qwen3 32Bなどの上位モデルを試し、Hermes + Qwen3 32BがClaude APIにどこまで近づけるか検証したいです。 ■結論 今回の検証で分かったことは、Local LLMは「無料だからClaudeの代替になる」わけではないということです。 Local LLMには、API料金が不要、社内情報を外に出さない、何度でも試せるという大きな利点があります。 一方で、応答速度、Tool選択、Memory活用、文章作成品質では、Claude Sonnet APIの方が明確に優れていたことがわかります。 特にHermes AgentのようなAI社員用途では、モデルの賢さがそのまま業務品質に直結します。 現時点での結論として、機密情報を扱う下書きや試行錯誤にはHermes + Qwen3 14Bが向いていますが実用という面では不安が残る。 採用広報、社外向け文章、AI秘書にはHermes + Claude Sonnet APIが向いています。 将来検証したい本命は、Hermes + Qwen3 32B以上です。Tool選択や出力の品質、応答速度がどうなるかは試してみないと Local LLMはChatGPT、ClaudeCodeの完全代替ではありません。しかし、社内でAIを作る上では、非常に強力な選択肢になります。 特にHermes Agentのようなエージェント基盤と組み合わせることで、記憶する、作業する、定期実行する、外部ツールを使うというローカルAIの土台を作れることが確認できました。 Hermes Agentは永続メモリを持ってskillを自動で改善していける仕組みを設計する方が重要だしチューニングに時間がかかるのでそんな観点も今後シェアできたらと思います。

  • 正論よりも大切なこと。相手が動き出すコミュニケーションの考え方

    仕事の悩みの多くは、人間関係に関わるものだといわれています。 たとえば、次のような経験はないでしょうか。 部下にアドバイスをしたのに、なかなか行動してくれない。 会議で正しい意見を伝えたはずなのに、周囲にうまく響かない。 取引先との交渉で、こちらの提案の方が合理的なのに、なぜか話が前に進まない。 ビジネスでは「正しいことを言えば伝わる」と思いがちです。 しかし実際には、正しいことを言っているだけでは、人はなかなか動いてくれません。 なぜそのようなことが起きるのか。 そして、どうすれば相手が前向きに行動しやすくなるのか。 今回は、上司と部下の関係、会議、交渉など、さまざまな場面で役立つ「相手の話を聞くこと」の重要性について考えてみたいと思います。 ■まず必要なのは、アドバイスではなく「聞くこと」 多くの場合、人は相談を受けたときや会議で意見を求められたとき、すぐに自分の考えを伝えようとします。 「それはこうした方がいい」 「その考え方は違うと思う」 「正しくはこうだ」 もちろん、経験や知識に基づくアドバイスは大切です。 しかし、相手がまだ自分の考えや感情を整理できていない状態で正論を伝えても、なかなか受け入れてもらえません。 むしろ、相手からすると「話を聞いてもらえなかった」「否定された」と感じてしまうこともあります。 大切なのは、自分の話を始める前に、まず相手の話を最後まで聞くことです。 相手の話を途中で止めない。 正論を言いたくなっても、少し我慢する。 アドバイスも反論も急がない。 これは簡単なようで、実際には意外と難しいことです。 ■人は「理解された」と感じたときに、初めて言葉を受け入れやすくなる 人は、必ずしも合理的に判断して動くわけではありません。 ときには感情で判断し、不合理に見える選択をすることもあります。 だからこそ、相手に何かを伝えたいときには、まず安心して話せる状態をつくることが重要です。 人は、自分の話をしっかり聞いてもらえると安心します。 安心すると、警戒心が下がります。 そして警戒心が下がったときに、ようやくこちらの言葉が相手に届きやすくなります。 このように、相手の話をただ聞くだけでなく、相手の気持ちや考えを理解しようとしながら聞く姿勢は、一般的に「アクティブリスニング」と呼ばれます。 難しいテクニックのように聞こえるかもしれませんが、基本はとてもシンプルです。 相手の話を遮らずに聞く。 相手が何に困っているのかを理解しようとする。 相手の感情を言葉にして返す。 これだけでも、コミュニケーションの質は大きく変わります。 ■感情を言語化すると、相手は「わかってもらえた」と感じる 相手の話を聞くときに大切なのは、内容の正しさだけを見ることではありません。 相手がどのような感情を抱いているのかを理解することです。 たとえば、部下が業務について不満を話しているとします。 そのときに、すぐに「それは仕事だから仕方ない」「もっとこうすべきだ」と返してしまうと、相手は心を閉ざしてしまうかもしれません。 そうではなく、まずは相手の感情を言葉にして返します。 「急に大変な業務を任されて、不安になったんですね」 「頑張っていた分、少し負担が大きかったんですね」 「不公平に感じる部分があったんですね」 これは、相手の主張をすべて肯定しているわけではありません。 相手が感じていることを、こちらが理解しようとしているだけです。 それでも相手にとっては、「自分の気持ちをわかってもらえた」という安心感につながります。 この安心感があるからこそ、その後のアドバイスや提案も受け入れられやすくなります。 ■ 正論で論破しても、ビジネスは前に進まない 特にビジネスの場面では、正論を言って相手を論破することに、あまり大きな意味はないと感じています。 もちろん、間違っていることをそのままにしてよいわけではありません。 しかし、相手を言い負かすことが目的になってしまうと、本来進めるべき仕事が進まなくなることがあります。 議論に勝つことは、一時的には気持ちがよいかもしれません。 しかし、その結果として相手が心を閉ざし、非協力的になってしまえば、ビジネス上は大きな損失です。 短期的には勝ったように見えても、長期的にはその人が障害になってしまうこともあります。 ビジネスの目的は、「自分の正しさを証明すること」ではありません。 目的に向かって、物事を前に進めることです。 だからこそ、正しいか間違っているかだけではなく、どうすれば相手が納得し、協力し、行動できる状態になるのかを考える必要があります。 ■答えを与えるより、相手に考えてもらう 上司や経験者の立場になると、相手の話を聞きながら「答え」が見えてしまうことがあります。 「こうすればいいのに」 「この問題はここが原因だ」 「自分ならこう判断する」 そう感じたとしても、すぐに答えを伝えるのではなく、あえて相手に考えてもらうことが大切です。 たとえば、次のように問いかけます。 「この問題を解決するには、まず何から始めるのがよさそうですか?」 「一番のネックになっている部分はどこだと思いますか?」 「どの条件が整えば、前に進められそうですか?」 人は、自分で考えて出した答えには納得しやすいものです。 一方で、他人から一方的に与えられた答えには、どうしても「やらされ感」が生まれやすくなります。 相手自身が考え、自分の言葉で解決策を言語化する。 そのうえで、「その方向で進めてみましょう」と合意する。 このプロセスを踏むことで、相手は主体的に動きやすくなります。 もし自分が考えている答えと相手の答えにギャップがある場合は、すぐに否定するのではなく、条件や目的を追加して考えてもらうとよいと思います。 「最終的な目的を考えると、他に必要な視点はありますか?」 「コストや期限を考えると、どの方法が現実的でしょうか?」 「関係者の協力を得るには、どの進め方がよさそうですか?」 このように問いを重ねることで、相手は自分で考えながら、よりよい答えに近づいていきます。 ■交渉でも、聞く力は大きな武器になる これは部下とのコミュニケーションだけでなく、取引先との交渉でも同じです。 交渉では、自社の条件や提案を伝えることに意識が向きがちです。 しかし、相手が本当に困っていること、譲れない条件、落としどころを理解しなければ、よい合意にはつながりません。 相手の話をしっかり聞くことで、次のようなことが見えてきます。 相手は何に困っているのか。 どの条件を重視しているのか。 どこであれば譲歩できるのか。 どの提案なら受け入れやすいのか。 これらが見えてくると、事前に準備していた案の中から最も合うものを選べます。 場合によっては、提案内容を少し修正するだけで、合意に近づけることもあります。 交渉がうまい人は、話すのがうまい人というより、聞くのがうまい人なのかもしれません。

  • 2026年の技術トレンドは「AI組織」になる?

    ここ数年、AI技術は驚くべきスピードで進化してきました。 2023年は「生成AI」、2024年は「AIコーディング」、2025年は「AIエージェント」が大きなテーマでした。そして2026年、次の技術トレンドとして注目されているのが 「AI組織(AI Organization)」 です。 AI組織とは、単なるAIツールの活用ではありません。AIがそれぞれ役割を持ち、人間の会社のようにチームとして働く構造のことを指します。これまで人間が分担していた業務を、複数のAIが役割分担して処理する仕組みです。 これまでのAIの使い方は「アシスタント型」が中心でした。人間がAIに質問し、回答を得るという形です。例えば、文章作成や調査では ChatGPT や Claude のようなAIを使うケースが一般的でした。また、プログラミングでは GitHub Copilot や Cursor、Claude Code といったAIコーディングツールが登場し、開発者の生産性を大きく向上させてます。 しかし、AI組織では役割が一段階進みます。人間が細かい指示を出すのではなく、目標だけを提示し、その達成のための作業をAIチームが分担して実行します。 例えばソフトウェア開発の現場では、次のようなAIチームを構築できます。 ・AIマネージャー:タスクを分解し、各AIに仕事を割り振る ・AI開発者:コードを生成し、プルリクエストを作成する ・AIテスター:自動テストやE2Eテストを実行する ・AI運用担当:ログを監視し、障害の原因を分析する ・AIアナリスト:ユーザーデータを分析し改善提案を行う このような構造を実現するために、最近では複数のAIエージェントを連携させるフレームワークも登場しています。 例えば CrewAI や LangGraph は、複数のAIに役割を与えてタスクを分担させるためのツールです。これらを使うと「マネージャーAI」「開発AI」「分析AI」のようなチーム構造を設計できます。 項目 CrewAI LangChain OpenClaw Claude Code 難易度 中 非常に高 低 低 OS操作 弱い 部分 強い 強い 自律性 高 中 高 中 拡張方法 Role / Agent Pythonコード Skill Tool / MCP 主用途 AIチーム構築 AIアプリ開発 AIオペレーター AIエンジニア 運用対象 ワークフロー LLMアプリ コンピュータ操作 開発環境 実行環境 Python Python ローカル / サーバ ターミナル AI組織適性 非常に高 中 中 低 また、AIが実際の作業を実行するためのツールとして OpenClaw のようなAIエージェントも登場しています。OpenClawはAIに「スキル」を与えることで、ファイル操作、ブラウザ操作、API呼び出しなどを自動実行できます。つまりAIが単に考えるだけでなく、実際にコンピュータを操作して仕事を進めることができるのです。 このようなツールを組み合わせることで、AIが組織として働く環境を構築できます。 AI組織が注目されている理由は三つあります。 第一に「並列処理」です。AIは複数同時に作業できます。人間が一つずつ進める作業を、AIは同時並行で実行できます。例えば、AI開発者がコードを書いている間に、AIテスターがテストを実行し、AIアナリストがログを分析するといった形です。 第二に「24時間稼働」です。AIは休憩や睡眠が必要ありません。夜間でもログ分析やテスト、レポート作成などを継続的に行うことができます。特にクラウド環境と組み合わせることで、AIは常時監視や自動運用を行うことができます。 第三に「スケールの容易さ」です。AIはソフトウェアなので、必要に応じて数を増やすことができます。AI社員を10人、100人と増やすことも理論上は可能です。これまで大企業にしかできなかった規模の業務を、小さなチームでも実行できる可能性があります。 現在、大手テック企業やスタートアップも、このAI組織の領域に積極的に投資しています。 AIエージェント同士が連携し、タスクを分担して実行する仕組みは、ソフトウェア開発だけでなく、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、さまざまな業務に応用できると考えられています。 もちろん課題もあります。AIの判断ミスやセキュリティ、責任の所在など、組織としてAIを運用するためのルール整備が必要になります。しかし、人間がその役割を実施しても同じことが起きます。特に責任や判断が課題になると思われます。それでもAI組織は今後のビジネスやソフトウェア開発の形を大きく変えると思います。 今後数年で、「AIを使う会社」から「AIが働く会社」へと変化していくと実感しています。 人間は戦略や創造性を担当し、AIが実務を担う。そんな新しい働き方が、2026年から本格的に始まるかもしれません。 今後のIT業界の転職市場にも、非常に大きいインパクトがきっと押し寄せると想定しています。

  • 働き方よりも「何を生み出せるか」を大切にする理由

    採用活動を通して見えてきた、私たちの仕事と組織への考え方 最近、事業拡大に伴い採用活動を進める中で、さまざまな方の経歴や思いに触れる機会が増えました。その中で改めて、私たちが仕事や採用において何を大切にしているのかを、きちんと整理して言葉にしておきたいと感じています。 私たちの会社は、まだ設立して間もない会社です。正直に言えば、企業としての信用力も高くはなく、他社と比較したときに将来性を感じにくいと受け取られることもあると思います。そのため、現時点では「多くの人に選ばれる会社」ではないのかもしれません。 それでも、こうした状況の中で当社を選び、応募してくださる方がいることには、心から感謝しています。 私たちは、いわゆる「フルリモート可能」といった聞こえの良い言葉を、採用のアピールポイントとして前面に出してはいません。 それは、この言葉が当社にとって本質的ではないと考えているからです。 私たちの事業はITのサービス業であり、何よりもお客様に合わせることを大切にしています。 結果として、お客様の働き方がフルリモートであればそうなりますし、出社が必要であればそれに対応する。 働き方は目的ではなく、あくまで結果だと考えています。 実際にお客様から、「当社に何を期待しているのか」「どんな点に魅力を感じているのか」を伺うと、次のような声をいただくことが多くあります。 困っている状況を打開してくれそうな期待感がある 顧客に寄り添った対応をしてくれる 仕事に対して責任感があり、真面目な人が多い 要望を一度受け止めたうえで、できること・できないことを正直に伝えてくれる 会社の雰囲気が楽しそう これらの声を通じて、私たちは「組織に属することの意味」について、改めて考えさせられました。 世の中には数えきれないほどの会社があります。もし、その組織の考え方や価値観に共感できないのであれば、無理にそこに居続ける必要はないのかもしれません。 「生活のため」という理由ももちろん大切ですが、それだけを理由に働き続けることが、必ずしも最善とは限らない時代になってきたと感じています。 今は、会社も個人も以前よりずっと対等な関係になりました。会社に属さず、個人として働くことも十分に可能な、選択肢の多い時代です。 だからこそ、これからは「リモートか出社か」といった働き方の違いそのものは、徐々に焦点ではなくなっていくと考えています。それよりも、「あなたは何ができる人なのか」「何をしたい人なのか」という点が、より強く問われるようになるでしょう。 AIがこれだけ進化した今、副業は特別な挑戦ではなくなりました。会社に属し、その報酬だけに依存することをリスクだと捉える人が増えているのも、自然な流れだと思います。 そして重要なのは、単にスキルの種類が多いかどうかではありません。 AIという強力な知識基盤が生まれたことで、環境の変化を捉え、自分に求められている役割を理解し、必要に応じて自分自身を変えられるかどうかが、これまで以上に重要になってきています。 もはや肩書きだけで評価される時代ではありません。「何を生み出せるのか」「どんな価値を提供できるのか」が、評価の軸になってきていると感じています。 採用の場面では、「この会社に入ったらどのような教育を受けられるのか」「先輩社員が手取り足取り教えてくれるのか」といった質問をいただくこともあります。 もちろん、最低限のサポートや環境づくりは大切です。 一方で、教えてもらうことを前提にし、自ら学ぼうとする姿勢がなければ、成長は難しい時代になっているとも感じています。 今では、多くの知識や情報は自分で得られる環境が整っています。そのことに、より自覚的である必要があるのではないでしょうか。 おそらく2030年頃までには、会社に依存しない働き方を選ぶ人はさらに増えていくでしょう。そうした人たちは選択肢を持ち、「やること」と「やらないこと」を自分で決められるようになります。一方で、選択肢を持たないまま働く人は、不満を抱えやすくなってしまうのかもしれません。 幸せそうに仕事をしていない人が多いと感じる今だからこそ、自分で「何をやるか」を決める力を身につけることが大切だと思います。成長し続け、やりたい仕事を選べるようになり、一緒に仕事をした人から信頼される存在になる。その先に、自己実現があるのではないでしょうか。 やりたいことだけをして暮らせる人は、決して多くはありません。 それでも、自分が関わっている仕事の意味や社会的意義を理解し、誇りを持って働くことはできるはずです。 私たちは、働き方そのものよりも、「何を生み出せるか」を大切にしたい。 そして、そうした価値観に共感してくれる人と、一緒に仕事ができたら嬉しいと考えています。

  • 真面目な人ほど成果が出にくい理由

    周りを見ていると、 常に成果を出す人と、頑張っているのに成果が出ない人がいますよね。 「この違いはいったい何だろう」と思ったことはありませんか。 能力や実力の差だと諦めてしまっている方も多いかもしれません。 でも、個人的には人の能力差はそこまで大きくないと思っています。 2倍も違うケースは、実はそれほど多くないのではないでしょうか。 ビジネスマンは誰しも忙しい。 これは間違いありません。 では、その中で成果を分けているものは何か。 一つは 「選択と集中」ができているかどうか だと思います。 成果を出すために、 「どこに一番集中すべきか」を考えていますか。 毎日降りかかるタスクを、 簡単なものから順に片付けているうちに、 気づけば自分の目標に最も重要で、しかも面倒なことを後回しにしてしまう。 そんな経験はありませんか。 頑張っているのに成果が出ない人は、 すべてのタスクに真面目に、一生懸命向き合っているケースが多いように感じます。 しかしその一方で、 どのタスクが最も重要か 期限はいつなのか どれくらい時間がかかるのか といった点を、あまり意識していないことも少なくありません。 一方、成果を出している人は、 成果につながる重要なことに集中する時間を、意図的に確保しています。 1週間、1か月といった単位で予定を見渡し、 自分の目標達成にインパクトの大きいことをあらかじめスケジュールに組み込む。 そして、その時間は「考えること」「アウトプットを出すこと」に集中するのです。 逆に、 「忙しくてできない」「時間がない」と言っている人の多くは、 本当に大切なことを自分でスケジューリングしていないケースが多いように思います。 対応事項が多すぎて、 気づけばスケジュールが勝手に埋まり、 本来考えるべきことに手をつけられなくなっている。 そんな状態ではないでしょうか。 ここで必要なのは、 「自分がいなくても仕事は回る」という、少し肩の力を抜いた考え方です。 この仕事は本当に自分がやる必要があるのか 誰かに任せられないか どこまでを現場判断に委ねるのか そうした線引きを考え、 自分が判断すべきポイントをしっかり担当者と共有し、 声をかけながら一緒に乗り越えていく。 任せた後も、 日頃の声かけや困りごとのフォロー、 話しかけやすい雰囲気づくりがとても重要です。 また、「部下が考えてくれない」と嘆く上司の声もよく聞きます。 ですがその多くは、 考えてほしい観点 制約条件や前提 目的やゴール が十分に伝わっていないケースではないでしょうか。 情報が不足した状態で、 最適な答えを出すのは誰にとっても難しいものです。 つまり、 部下と一緒に成長していこうとする姿勢が足りていない場合も多いのです。 もし思い当たる節があれば、 一度立ち止まって、自分のやり方を見直してみる。 それだけでも、大きな変化につながるはずです。 こうした考え方や姿勢こそが、 これからのAI時代にますます重要になるスキルだと、私は思います。

  • もう師走!みんなで走り抜けた1年を笑顔で締めくくります

    もう師走。今年もあっという間に時間が過ぎていきますね。 皆様はこの一年、やり残したことなく終えられそうでしょうか? 最近「一年ってすごく早い…!」と痛感しております。 当社は12月決算で、今年は4期目。 業績的に厳しい時期もありましたが、社員全員が力を合わせて取り組んだ結果、 無事に利益予算を達成して締めくくりができそうです。 ほっと胸を撫で下ろしております。 これも日頃より当社のサービスや技術力をご評価いただき、 ご支援くださっているお客様のおかげです。 そして、どんなに大変な業務も前向きに対応してくれる仲間に、心より感謝いたします。 🎉今年も恒例!忘年会&ビンゴ大会 🎁 一年頑張った自分たちをねぎらい、みんなで笑って今年を締めくくるべく ビンゴ大会:景品総額なんと75万円!奮発しちゃいました✨ 社員やご家族に欲しいものをアンケートで聞き、 多数のご希望をもとに景品を選定してくれました! 皆さん…意外と現実的で笑いました(笑) でも、だからこそ嬉しいはず! ということで、豪華ラインナップを一部ご紹介します。 📱電子機器 AirPods Pro(第3世代) Apple Watch SE(GPSモデル) MSI 湾曲ゲーミングモニター MAG 342CQR Kaedear バイク用スマートモニター&ドラレコ 🏡家具 Dimplex 電気暖炉型ファンヒーター AIMChair ゲーミングチェア 🔌家電 シロカ 電気圧力鍋 おうちシェフ PRO L ダイソン 掃除機 エコバックス ロボット掃除機 DEEBOT mini Panasonic 加湿空気清浄機(ナノイーX) Panasonic ホームベーカリー(餅つき機能付) 💆‍♀️美容・寝具 パナソニック ラムダッシュ BISARA ハンズフリースタンドドライヤー ReFa FINE BUBBLE U ブレインスリープ コンフォーターEX(究極に暖かい布団) 👗ファッション フェイラー ハイジペイズリー舟形ポーチ 実用性高めのアイテムが多く、社員も家族も笑顔になれるはず 準備や企画をしてくれた社員のみんな、本当にありがとう! この勢いのまま、笑顔で師走を走り抜けたいと思います。 年末は飲み会も増え、何かと事故やトラブルが起きやすい時期。 情報セキュリティも同様です。 飲むなら持たない。持つなら飲まない。 スマホ・PC・情報管理はいつも以上にご注意を!!

  • 学歴は過去の努力、地頭は今の思考習慣

    応用がきかないと思う人は「メタ認識力」を鍛えよう 「応用力がない」「地頭が悪い」と感じている人は少なくありません。しかし、地頭とは生まれつきの能力ではなく、“自分の思考を客観的に見る力=メタ認識力”によって大きく伸ばすことができます。 この力は年齢に関係なく、気づきと行動の積み重ねで確実に鍛えられます。 ビジネスで応用がきかない人の特徴5選 ① 自分のことしか考えられない人 相手の立場や状況を想像できず、「どこが落としどころか」を考えないタイプです。提案や交渉の場でも自分の主張ばかりを繰り返すため、相手からは「話が通じない人」と見られがちです。 本来の応用力とは、自分と相手の条件を俯瞰して最適解を導く力でもあります。 ② 難しい言葉で中身の薄さをごまかす人 説明や提案の際に専門用語を多用し、相手が理解できていないのに気づかない人です。本人は説明できているつもりでも、聞き手は混乱しています。 応用力がある人は、複雑な内容をシンプルに、具体例を交えて説明できる人です。専門用語を駆使する人は、知識を「見せたいだけ」と誤解されやすい点にも注意しましょう。 ③ 過去の成功に依存する人 昔の成功体験を基準に判断し、今の状況を観察・分析しない人は応用がききません。労力をかけたものほど手放せない「サンクコスト効果」に囚われ、環境の変化に気づけなくなります。 時代が変われば“正解”も変わります。過去ではなく「今」に軸を置く柔軟さが重要です。 ④ 自分で考えず、他人任せにする人 問題が起きたとき、自分の頭で仮説を立てず、他人の判断に依存するタイプです。この思考パターンでは成長が止まり、応用力は育ちません。 失敗したときに「相手の理解力が低い」「環境が悪い」と責任転嫁する人は要注意。主体的な人は、「何が起きたか」「何が原因か」「自分にできる改善はあるか」を考え、仮説→行動→検証→修正のサイクルを回しながら成長していきます。 ⑤ 学歴で思考停止する人 学歴はスタート地点の情報にすぎません。「自分は優秀だ」という錯覚が、新しい学びを妨げることがあります。 本当に頭のいい人は、「まだ知らない」「まだ未熟だ」という前提で考える人です。「自分への問い」を忘れた瞬間に、成長は止まります。 思考の癖を変えるには 長年の思考パターンを変えるには時間と努力が必要ですが、自分で気づき、変わろうと決めた瞬間から改善は始まります。他人に言われて変わることはありません。自分の意思で行動し続けることが何より大切です。 学歴は「過去の努力の証」、地頭は「今の思考習慣」 「地頭がいい人」と言われる人は、特別な才能を持っているわけではありません。 彼らが持っているのは、ただ一つ。“自分の思考を客観視する力(メタ認識力)”です。 地頭は、学歴や過去の実績では測れません。それは “ 今この瞬間の思考習慣 ”  で決まります。 失敗した時に 「相手が悪い」「環境が悪い」と言い訳をするのか、 「自分に改善できることは?」と仮説を立てるのか。 ここで差がつき、数ヶ月後、数年後には“圧倒的な差”になります。 年齢は関係ありません。 どんな人でも、今日から“地頭のいい人”になれます。 なぜなら地頭とは、生まれつきではなく鍛えられる力だからです。

  • 最近のAI性能比較と、中国で進むAIチップ国産化の流れ

    ここ数年でAIモデルの進化は急速に進み、ソフトウェア開発、知識推論、数学、さらにはサイバーセキュリティまで幅広い分野で性能が評価されるようになりました。 今回は、各社の代表的なAIモデルの性能をまとめた比較表を紹介しつつ、最近ニュースでも話題となっている 中国のAIチップ国産化   に関する“技術トレンド的な背景”にも触れていきます。 ■ 最近のAIモデル性能比較 まずは、最新のAIモデルが「どの分野で強いのか」を一覧で見られるよう、NIST(米国標準技術研究所)の評価項目を基にした性能比較表をご紹介します。 出典: https://www.nist.gov/system/files/documents/2025/09/30/CAISI_Evaluation_of_DeepSeek_AI_Models.pdf 表を見ると、AIモデルごとに得意・不得意が分かれることがよくわかります。 GPT-5 / Opus4  … 全般的に高水準、とくにコード理解や数学に強い DeepSeek V3.1  … 数学や一般教養で健闘、ただしセキュリティ領域はやや弱い それぞれのモデルが得意分野に特化する流れが進んでいる 特にセキュリティ領域(脆弱性理解、攻撃分析など)や、ソフトウェア工学(実コードのバグ修正、コード理解)は性能差が大きく、ここが各社の戦略の差として現れています。 ■AIチップ国産化の背景:技術トレンドとしての“自前化” 最近、中国では「データセンター向けAIチップの国産化」が加速しています。 一見すると政治的なニュースに見えますが、技術トレンドとして捉えると、実は世界的にも自然な方向性だと言えます。 特に中国では、建設進捗が30%未満の新規データセンターでは、外国製AIチップの使用・新規購入が禁止され、国内チップへの切り替えが求められていると報じられています。 出典ロイター通信: https://www.reuters.com/world/china/china-bans-foreign-ai-chips-state-funded-data-centres-sources-say-2025-11-05/ これは “輸入規制” もあると思いますが、AI開発の基盤を自国内で最適化するための 技術的な自前化政策 として理解することもできます。 AIモデルの性能を継続的に向上させるには、以下の要素が欠かせません: 高性能GPU(計算リソース) 安定した供給 モデル最適化の自由度(細かいチューニング) データセンター全体の最適化(電力・冷却・ネットワーク構成など) これらを 自前でコントロール できるようになることで、AIモデルの品質を高めるための「改善サイクル」を外部要因に左右されず、自国だけで回せるようになるというメリットねらっていそうな気がします。 つまり、中国の一連のAIチップ国産化は、AIエンジン・GPU・データセンターを 1つのパッケージとして最適化する戦略なのかもしれません。 ■ なぜ中国はAIインフラを国産化しようとしているのか? NISTの性能結果と最近の動向を踏まえると、中国が AI インフラの国産化を進める理由は 政治よりも“技術最適化”寄り に理解することもできます。 特に、DeepSeekのような中国モデルにはまだ弱点がある領域が存在します。 セキュリティ能力 バグ修正やコード理解 高度な言語理解 こうした領域を改善するには、大規模な計算資源と継続的な学習が必須です。 そのため、 GPUの国産化 モデルの最適化 データセンターの独立運用 計算資源の統合管理 といった“AI開発の基盤丸ごとの最適化”に舵を切りつつあると考えられます。 これは、ほぼすべての国・企業が同じ方向を目指しており、決して中国だけの特殊な動きではありません。 ■ 今後は「二つのAIエコシステム」が並走する可能性も 技術的な観点から見ると、この先、 米国中心のAIエコシステム (NVIDIA・OpenAI・Anthropic) 中国中心のAIエコシステム (Huawei・DeepSeek・国内GPU) の “二つの流れが並走する構図”  になる可能性があります。 これは政治対立というよりも、クラウド、スマホOS、CPUなどで起きてきた「技術スタックの多様化」の延長線上にあると言えます。 ■ AI技術は「多様化」と「分散化」の時代へ 今回の性能比較からわかる通り、AIモデルはますます“専門化”し、各社・各国がそれぞれの強みを持つようになっています。一方で、AIチップやデータセンターの自前化が広がっており、AIのエコシステムも多様化しつつあります。 今後、AIは単一の技術基盤ではなく、複数のエコシステムが並び立つ時代へ向かっていくように思われます。 当社としても、こうした動きが業界にどのような影響をもたらすのか、引き続き注目していきたいと思います。

  • 命令より“意味”を伝えるマネジメント術

    部下が動かないのは、意味が見えていないからかもしれない。 「部下が自発的に動かない」「指示待ちが多い」そんな悩みを、飲み会でよく耳にします。正直、私自身も昔は同じように感じていました。 けれど今振り返ると、自分自身もかつて“指示がなければ動けない人”だったのです。 それは能力の問題ではなく、「何のためにやるのか」仕事の意味が見えていなかったから。 指示では人は動かない 人は「指示されたこと」だけをやりがちです。しかも、自分の理想より低い完成度で、期限も遅れがち。だからこそ、リーダーとしてまず考えるべきは「どうすれば相手が動けるか」よりも、「なぜそれをやるのか」を共有できているかです。 ほとんどの人は「命令されること」が好きではありません。誰だって、自分で考え、自分で選びたい。にもかかわらず、現場では「聞いていません」「指示されてません」といった言葉が飛び交う。 このギャップこそ、職場でのストレスの根源だと思います。 ① 指示の背景と意味を伝える どんなに高い報酬を得ていても、「意味がない」と感じる仕事をしていると人は嫌になります。 文化人類学者のデヴィッド・グレーバー氏が著書『Bullshit Jobs(ブルシット・ジョブズ)』の中で紹介している内容を、私もネットで目にしました。 彼によると、社会的に意味を感じられない仕事が増えており、それが人の精神を蝕んでいるといいます。 「自分の仕事が無用であるという信念が個人の幸福度を低下させることがわかったと」 つまり、仕事の意味を理解できない状態は、心理的ストレスやモチベーションの低下につながるのです。 これは現場でも同じ。部下が動かないとき、それは「やる気がない」のではなく、“意味が伝わっていない”だけかもしれません。 ② ゴールと“許容ライン”を共有する ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究「 Meaningless work threatens job performance 」では、仕事の“目的”が失われたチームでは、作業スピードとパフォーマンスが明確に低下したと報告されています。逆に、仕事の目的を明確に理解しているチームは、報酬や待遇に関係なく、高い集中力と責任感を発揮したそうです。 だからこそ、リーダーは「最高のゴール」と「許される妥協点」を伝える必要があります。完璧を押し付けるのではなく、“ここまでできたらOK”という現実的ラインを共有し、その上で「どう進めたいか」を本人に考えてもらう。 それが“指示された仕事”を“自分事”に変える第一歩です。 ③ 感謝を伝えることが次の行動につながる どんなに長く働いている相手でも、感謝を伝えることは欠かせません。人は、自分の存在を認められた瞬間に「次も頑張ろう」と思える生き物です。「ありがとう」「助かったよ」の一言が、どんな報酬よりも強いモチベーションになります。 心理学的にも、承認が人を動かす最大の原動力であることは多くの研究で示されています。感謝と意味づけをセットで伝えるだけで、チームの空気は大きく変わります。 意味のある仕事は人を動かす アメリカの研究「 Accepting Lower Salaries for Meaningful Work 」では、多くの人が「意味ある仕事なら、給与を下げても選ぶ」と結論付けてています。つまり、給与や待遇ではなく、“意味”こそが働くエネルギーの源なのです。 高給与を選んだ人ほど満足度が下がり、意味ある仕事を選んだ人ほど幸福感が高いという結果も出ています。 要するに、“報酬”よりも“目的”が人を動かすケースが多いのです。 人は意味で動く 「部下が動かない」と嘆く前に、まず「意味を伝えられているか?」を振り返ってみてください。 なぜこの仕事をやるのか どこまでできればいいのか どんな価値があるのか そして「ありがとう」の一言 人は、意味と感謝を感じたときにこそ、心から動きます。命令ではなく、意味や自分の存在価値を感じられる仕組みが人を動かすのです。 それが、これからの時代のマネジメントだと信じています。 もしこの考えが、マネジメントに悩む方の参考になり、少しでも意識するきっかけになれば嬉しく思います。

  • 気付く人と気付かない人

    最近感じるのですが、どんな物事にも気付く人とそうでない人がいますね。この差ってなんだろうと思ってました。 仕事でも大概成果を出す人って、気付く人だと感じませんか。 先日読んでた本に引き寄せの法則(スピリチュアル系)や脳の動きについて書いてあったのですが、人間の脳はすぐサボるらしい。 五感から入る情報量が実は膨大すぎて全てを処理してると脳がすぐ疲れてしまうそうです。 だから処理する情報量を少なくするために何かの基準で記憶に残したり、残さなかったりの動作をしてるとのこと。(科学的根拠はありませんが) 膨大な量の情報量から脳が必要な情報を取るのは、関心がある事みたいです。 例としては不動産などの物件を探してないときには街中で不動産の情報など気付がなかったのに、引越しを考えたりすると、街中に情報が溢れてると思ったりしませんか? また独身の頃は子供に興味がないが、自分が子育て中、した後には街にはこんなに子供がいるのかと感じたものです。 仕事の中でも役職によって役割が違うから仕事の関心ごとが違いますね。だから上司に説明資料を説明しても指摘、ダメ出しだらけの事が多いのではないでしょうか。 つまり関心の観点が違うんですよね。 そんな指摘に落ち込んでしまう若者がいたらのアドバイスなのですが、違う視点や関心毎の意見を取り入れられて良かったと相手に感謝と尊敬の念をお伝えすると相手も悪い気がしないしいい関係が築けますね。 落ち込んでる暇はないし、どんな資料や考え方も正解はないし、突っ込むところはありますしね。 組織に属してる会社員なら全体にとって何をするのがいいことなのか、悪いことか。どうやればみんなが幸せになれるか、考えるといいと思います。 それを考える機会を持つことによって、自分の仕事だけでなく、会社全体のことに、関心が持てるようになるし、物事の成功率も上がると思います。 前の会社で24時間365日仕事の事を考えろと社長に怒られた記憶があり、成果を残したいならそのくらい意識するといいのかもしれないと最近思いました。ブラック過ぎるかな。。(笑)

  • 2032年へ向けた挑戦:採用計画達成と次の成長フェーズへ

    採用計画達成と新たな挑戦へ 今年度(2025年)の採用計画は7名を目標としていましたが、予定どおり7名の採用を完了し、仲間が増えました。 11月13日からは「doda」にて中途採用も開始し、これからの事業成長を共に考え、行動できる新しい仲間を募集しています。 本年度は新規エンドユーザ2社との直接契約を獲得し、さらに大手SIerおよびその関連会社との取引も開始しました。これを受け、人員予算を超えてでも採用活動を再開し、事業拡大を推進する決断をしました。 組織の定着率と成長文化 2022年6月、3名でスタートした当社は、創業から3年4か月で19名の仲間にまで成長しました。 この間の退職者はわずか1名のみです。 なぜここまで高い定着率を維持できているのか、その理由を改めて考えてみました。 社員一人ひとりが「自分のやることを自分で決め、成長を楽しむ」文化を体現しており、その結果として、納得感のある報酬を得ながら会社の成長を支えています。 退職者が出たことは残念ですが、組織の価値観や方向性が合わないことも自然なことだと考えています。重要なのは、“自分の選択で成長を続けたい”と思える環境であることです。 終身雇用を「再定義」する 近年、日本型雇用の象徴だった終身雇用制度は崩壊しつつあります。 企業は終身雇用を維持できず、求職者も「一社に定年まで勤める」意識を持たなくなってきました。しかし、私たちは「終身雇用は本来、最良の形である」と考えています。 では、なぜ終身雇用が崩れたのか。その背景には、継続的な成長機会と納得できる評価制度の欠如があります。 1回のミスが立場を脅かす環境 → チャレンジを避け、無難な仕事に終始してしまう。 頑張っても変わらない給与制度 → 見えない評価軸により、努力が正当に報われない。 労働者保護制度の歪み → 解雇規制が強すぎる結果、努力しない社員が守られ、  真面目な社員や管理職が苦労する構造になっている。 こうした要因が、「働くことの意義」や「成長の循環」を阻んでいると感じています。 自分の所得は自分で決める 当社では創業当初から、「見えるインセンティブ制度」を導入しています。社員は自らの成果に応じて報酬をコントロールでき、年の途中でも所得が変動します。 また、ミスや失敗によって一時的にインセンティブが停止しても、次の挑戦で再び獲得できる“リカバリー制度”も明確に定めています。 これにより、社員は安心して挑戦できる「失敗しても次がある」という希望のもとで、成長を続けられる環境を実現しています。 「働く=報酬を得る」から「貢献=報酬を得る」へ 日本では「仕事をしていれば給与がもらえる」という考え方が根強く残っています。しかし本来、給与とは会社の利益に貢献した結果として支払われるべきものです。 「会社に利益をもたらし、仲間と共に成長する」そんな意識を持つ人こそ、企業にとっても社会にとっても必要な存在です。 もし“完全な自由”を求めるなら、個人事業主として生きる道もあります。 企業に所属する意味は、「仲間と共により大きな価値を創ること」なのです。 2032年に向けて ― 共に航海する仲間を募集 本年、2社の新規エンドユーザ契約と大手SIerとの基本契約を締結し、2032年に向けて500名体制を実現するための事業拡大フェーズに入りました。 自分の所得を自ら決め、ビジネスマンとして成長し、楽しい仲間と切磋琢磨しながら“箱舟”を大きくしていく。そんな自立心と情熱を持つ仲間を募集しています。 少しでも共感いただけた方は、「いいね」や「応募」でぜひ声をかけていただけると幸いです。 一緒に未来を創っていきましょう。

  • 2025年版:Gartner Magic Quadrant(SSE:SWG/CASB/DLP)について

    最近、大手企業がサイバー攻撃を受けてシステム障害を起こすニュースが相次いでいます。こうした状況を受け、今回は改めてセキュリティ対策の要である「SSE(Security Service Edge)」について整理しました。 以前にもGartnerのMagic Quadrant(以下、MQ)を紹介しましたが、今回はSSE領域(SWG/CASB/DLP)に焦点を当てます。 SSEとSASEの関係 「SSE?SASEって何が違うの?」と思われる方も多いかもしれません。 簡単に言えば、 SASE(Secure Access Service Edge)= SD-WAN + SSE(Security Service Edge)  と覚えておくと理解しやすいでしょう。 SASEは“ネットワークの最適化”と“セキュリティの統合”を同時に実現する考え方です。そのうち SD-WAN  は通信経路を最適化する「ネットワークの高速道路整備」部分、一方 SSE  はその道路上でデータやユーザーを守る「セキュリティの検問・監視塔」にあたります。 そして、このSSEの根幹にある思想がゼロトラストセキュリティ(Zero Trust Security)です。 「すべての通信を信頼しない(Never Trust, Always Verify)」という考え方のもと、 アクセスのたびにユーザー・デバイス・アプリケーションの正当性を検証し、 必要最小限の権限でクラウドや社内リソースへ安全に接続させます。 つまり SD-WAN :どの経路で安全かつ効率的にクラウドへ接続するかを制御する仕組み SSE :その接続経路上で脅威検知・アクセス制御・データ保護を行う仕組み この2つを統合して“安全かつ快適なクラウドアクセス”を実現するのが SASE というわけです。 Gartner Magic Quadrant 2025年版の全体像 2025年5月に公開されたSecurity Service Edge(SSE)のMagic Quadrantでは、昨年に続き市場の勢力図はほぼ固定化しました。 結論から言うと、リーダ層ポジションにZscaler/Netskope/Palo Alto Networksの3社体制が継続しています。 各ポジションの特徴と主要企業 ■LEADERS(リーダー) Leadersは「実行力(Ability to Execute)」と「ビジョンの完全性(Completeness of Vision)」の両方で高い評価を得た企業。つまり、「現在も強く、未来も描ける」ベンダーです。 Zscaler/Netskope/Palo Alto Networks Zscaler :サブスクリプション運用・サポート体制・大規模導入実績など、実行力の高さで最上位評価。 Netskope :データ保護(DLP/CASB)とユーザーの端末やオフィスから最も近い場所に設置された「クラウドセキュリティゲートウェイ」または「中継サーバー」(以下PoP)が強み。多言語対応などの課題はあるものの、総合力でLeadersを維持。 Palo Alto Networks(Prisma Access) :XDRやNGFW群との統合を推進。価格や構成の複雑さが課題だが、プラットフォーム統合力でLeadersに位置。 ■CHALLENGERS(チャレンジャー) Challengersは実行力は高いが、ビジョン(将来戦略)が限定的なベンダー。つまり、「現状では強いが、市場を牽引するほどの革新性がまだ見られない」ポジションです。 Fortinet(単独) 統合SASEの一体感と価格優位性を武器にしていますが、SSE単体ではLeaders群に一歩届かない評価です。 ■VISIONARIES(ビジョナリー) Visionariesはビジョン(将来性・革新性)は高いものの、実行力がまだ十分でない企業。しかし2025年版では該当企業がなく、昨年VisionaryだったSkyhighはNicheへ後退しました。 ■NICHE PLAYERS(ニッチ) Niche Playersは、特定分野・特定市場で強みを発揮する一方、総合力では劣ると評価されています。 Versa Networks/Skyhigh Security/Cloudflare/iboss/Broadcom Cloudflare :グローバルエッジ網と開発スピードが魅力。SSE市場では9社の一角を占めます。 Skyhigh Security :CASB/DLP分野での伝統は健在ですが、総合SSEの観点ではNiche評価。 Versa/iboss/Broadcom :SD-WANやエンドポイント、IDaaSなど既存投資との整合や価格条件を踏まえ、“狙い撃ち導入”が現実的な選択肢です。 Gartner MQの2軸を正しく理解する 縦軸:Ability to Execute(実行力)  製品・サービスの完成度、サポート品質、販売体制、顧客基盤など、 「現在、確実に提供できる力」の総合評価です。 横軸:Completeness of Vision(ビジョンの完全性)  市場理解、製品戦略、ロードマップ、革新性と将来像の説得力を評価します。 Gartner自身も、「Leadersだけを見ればよいわけではなく、要件次第ではChallengerやNicheの方が合目的な場合も多い」と指摘しています。 SWG/CASB/DLPそれぞれの“いま” ■SWG(Secure Web Gateway) TLS復号と脅威防御はクラウドPoP前提へ完全にシフトしました。遅延最小化や証跡・例外管理の運用成熟度が差別化要素となっています。NetskopeはSLAで50ms以下、Zscalerは100ms以下を公表しており、Leaders製品はいずれも回線条件が悪くても快適な体感を維持しやすい構造です。 ■CASB(Cloud Access Security Broker) API/リバースプロキシ/フォワードプロキシのハイブリッド適用が標準化。シャドウITの可視化やアプリ粒度でのテナント制御が主要評価軸です。特にNetskopeは可視化対象アプリ数やデータ保護機能が豊富で、脅威検知に加えて**UEBA(ユーザー行動分析)**による異常検知も可能です。 ■DLP(Data Loss Prevention) コンテキスト+内容一致(指紋/EDM/ICD)とSaaS/API連動が鍵。Leaders製品はM365やGoogle、Box、Slackなど現実の業務導線で誤検知率を抑えつつ、運用負荷を低減できます。NetskopeはCASBと連動したデータ追跡・移動可視化、共有先の制御などが高く評価されています。 製品選定で押さえるべき4つの視点 監査適合(証跡・再現性)  TLS復号例外台帳やCASB API監査ログなど、監査対応が求められる場合はLeaders製品が有利。 データ保護の実用精度  EDM/ICD(ファイル指紋・構造化)+生成AI流出対策まで、誤検知・漏検知が許容範囲かを検証。 ユーザー体感(遅延)  拠点・在宅・海外出張でのPoP距離やフェイルオーバ設計など、PoPはSSEの性能と信頼性の核心です。 既存投資との統合  EDR/XDR、SIEM(Sentinel・Splunk)、IdP(Entra ID・OAuth)などとの統合実績も評価のポイント。 まとめ:性能よりも「自社要件との整合性」を 性能の高さだけで製品を選ぶのではなく、自社の課題・運用体制・予算を踏まえ、「どのリスクを、どの粒度で抑えたいのか」を明確にすることが、最適な選定の近道です。 2025年のSSE市場は成熟期に入りつつありますが、最適解はあくまで企業ごとに異なります。本記事が、製品選定やPoC検討の一助となれば幸いです。

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